今回登山する山は八ヶ岳の阿弥陀岳です。前日にバスで茅野駅から美濃戸口バス停まで移動し、八ヶ岳山荘の仮眠室に宿泊しています。今の時期は硫黄岳から赤岳へ縦走し、横岳でツクモグサを見る登山者が多いです。ですが以前そのルートを縦走したことがあるため、未踏峰の阿弥陀岳を目指すピークハントをします。

前泊した理由は、もし午前2時に登山を開始出来るなら、未踏の天狗岳などを縦走し、北八ヶ岳を白駒池まで踏破するつもりでした。ただ午前2時前に起床出来なかった場合は、午前4時に登山を開始して、阿弥陀岳を踏破すると計画していました。

実際は前日の寝不足のせいで4時半過ぎに登山開始となってしまいました。

こちらが八ヶ岳山荘の仮眠室です。宿泊を事前予約している人と、そうでない人では部屋が異なります。私は事前予約をしており、12人部屋で宿泊者は4人でした。事前予約特典としてコーヒー1杯無料になります。お風呂別料金、食事なしで3000円になります。

歩き始めは、スピードがあまりでず、車が追い越す砂利道をゆっくり進みます。もし北八ヶ岳へ行っていたら、見てみたい山野草がありました。今回は阿弥陀岳になってしまいましたが、その場合でも見てみたい高山植物がありました。それはイワベンケイです。同じ時期に八ヶ岳へ訪れたことが以前ありますが、その時はツクモグサやコマクサ、ウルップソウが目的で、イワベンケイに興味がなかったと思います。

同じ宿に泊まっていた女性が私を追い抜いていきました。今日は横岳や赤岳を縦走するとのことで、今日のバスで帰ると言っていました。私もそのルートを考えてはいましたが、私の体力だと最終バスに間に合わないため、断念しています。

赤岳山荘と美濃戸山荘を通過したら南沢コースを歩きます。多くの登山者は北沢コースを歩いているためか、静かな山歩きとなりました。登山開始時間が予定よりも遅い4時半過ぎとなりましたが、それでも時間は十分に余裕があります。最終バスの1本前に乗る予定ですが、それでも植物探索時間は確保できます。

マイナスイオンに包まれながら、山野草がちゃんと目に飛び込んでくるスピードで歩きます。早歩きだと、植物が側に咲いてても気付けないことがあります。「そのスピードで歩いていて、ジガバチソウやヒメムヨウランが目に入るか。」これを基準にして歩く速度を調節しています。

ホテイランの葉がありましたが、流石に今の時期はどれも咲き終えていました。

ギンリョウソウはよく見かけました。私にとっては今年初めての出逢いになります。

木の橋を幾つか通過していきます。その中でも、この橋が一番朽ちていたように思います。山域によって、どこまで整備が行き届いているか差異があるように思います。昔、この木の橋を渡らないと下山出来ないけれど、橋が朽ち果てており、足を載せたら踏み外して崖に落ちるかもしれないと覚悟したことがあります。

南沢コースは標準タイムが2時間半程ですが、実際のタイムは3時間半程になります。想像していたよりも、かなりゆっくり歩いていたことに後で気が付き、決断に迫られることになります。

実は、本格的な登山はずっとしておらず、森林限界を越える登山も久しぶりです。しかも阿弥陀岳の山頂付近は傾斜が急な岩場で、浮石による落石が発生しやすいようです。登山の感覚が鈍っている中で、体力も十分ではなく、ちんたら歩いていて、私は本当に大丈夫なのでしょうか。

キバナコマノツメが咲いていました。ヤツガタケキスミレと混同してしまう見た目です。

登山道から外れた場所で滑滝(ナメタキ)を発見です。岩場に何かあるかもとか思いながら、引き寄せられてしまいます。こんなことをしているから、十分に確保した時間があっという間になくなってしまい、最終バスに乗るために急ぐことになったりします。

苔の森を進んでいきます。今の時期は、バスは土日しか運行しないため、日曜の最終バスに間に合わなかった場合はタクシーを呼ぶことになります。またバスの時刻表が切り替わる時期でもあるため、注意が必要です。

オサバグサが咲いていました。東北地方では絶滅危惧種になっているようです。ある場所には存在するけれど、ない場所には存在しないような、どこにでも生えている訳ではないようです。八ヶ岳では個体数が多いようで、ありふれているような印象です。

干からびた河原のような場所に着いたら、南沢コースは終わりになります。

行者小屋に到着しました。水場があるため、そこで阿弥陀岳への登頂と下山までの水を確保します。この時点で、このままのスピードで歩いていたら最終バスに間に合わないと認識します。時間が足りないですが、もっと速く歩けるのか、速いスピードを維持できるのか自信はありません。阿弥陀岳を諦めて、北沢コースで下山する選択肢もありました。山野草探しは程々にして、今まで以上に時間管理をして阿弥陀岳を登ることに決めました。

ミツバオウレンが咲いていました。

赤岳・阿弥陀岳分岐に到着です。行者小屋からここまで、標準タイムは14分ですが、10分で到着出来ました。これなら最終バスに間に合いそうです。ただ、ハイスピードは長時間維持出来ないので、速度調節は適宜必要です。

イワカガミが咲いていました。

中岳道を歩き続けます。降りてくる人はいても。登って来て私を追い抜かす人はいませんでした。今日の私と同じルートを辿る人はかなりの少数だと思います。

登山道がザレて滑りやすい場所がありました。下山で通過する場合は転倒しやすいです。

標高を上げると赤岳が見えてきました。

横岳も迫力があります。ザレた道は幅が狭く、片側が崖なので、疲労困憊でフラフラした足だと危険です。疲れ切った下山の時こそ、何でもない場所で滑落することもあります。

阿弥陀岳の姿が見えました。硫黄岳や横岳、赤岳と違い、ここだけ新春の若葉色です。

咲き終えたヒメイチゲを1本だけ見つけました。北八ヶ岳だとオーレン小屋の周辺で見かける山野草のようです。

ここのロープ場がかなり大変でした。ロープを使わないと地面が滑って通行出来ませんでした。

中岳のコルに到着しました。阿弥陀岳へは、ここに荷物を置いてピストンする人もいるようです。下山時に利用する御小屋尾根は歩く人が少ないのかもしれません。

ハクサンイチゲが咲いていました。

阿弥陀岳の方から見る赤岳は、山容が美しいです。阿弥陀岳の山頂からなら、もっと見応えがあるはずです。

梯子を通過します。中岳のコルから阿弥陀岳の区間は、今まで歩いてきた道と比べて、難易度が高くなります。

この岩場は補助鎖ないですが、足を置く場所を確保しやすいため、三点支持が出来れば問題ありません。

足場の狭い岩場がありながら、歩きやすい道もあります。

標高2,805mある阿弥陀岳の山頂へ到着しました。赤岳をバックにして、山頂標識を撮影します。ちなみに、この目の前でお湯を沸かしてお昼を食べようとしていた夫婦がいたので、どいてもらいました。その夫婦が写らないようにアングルを変えてみるも、赤岳と標識が一緒に写るには、この角度しかありませんでした。夫婦がどいた後、散乱した夫婦の荷物も追加でどいて頂きました。山頂に散らかった放置ゴミに見えてしまうところでした。どいていただくと、他の人も同じアングルで撮影したので、同じ気持ちだったのかもしれないです。夫婦がガスバーナーを使ってしまうと、どいてもらうのが危険なため、即座に声をかけました。顔はめパネルの前でお昼ご飯を食べる感じなのかもとか、高尾山の山頂標識の側でお昼ご飯食べる人は流石にいないなと思いながら、ものすごく腰を低くして、どいていただきました。

阿弥陀岳の山頂から見る赤岳は、力強さしか感じません。

権現岳や編笠山、西岳の方です。キレットは苦手なので、赤岳から縦走する予定は今後もないように思います。ただ未踏方の山ばかりなので、何度か歩いてみたいです。

硫黄岳と横岳です。そっちも歩きたかったですが、時間がやはり厳しかったと思います。山頂でお昼ご飯を食べたかったのですが、美濃戸口バス停から最終の1本前のバスに乗りたかったので、もう少し時間に余裕が出来たらにします。バスに乗るだけじゃなく、バスに座って乗るためには、時間に余裕を持った下山が必要です。

御小屋尾根を使って下山します。一般登山道ですが、利用する人が少ない印象です。それ故に、難易度が少しはあるのかもと思っていました。

梯子を通過したら、僅かな距離ですが、少し傾いた平坦な岩に貼り付いて進みます。高度感があるため、立ち上がれませんでした。

ロープが多い登山道のようで、ロープを使わないと通行が出来ないです。ここは、かなり垂直に近い岩をロープを使って降りました。足を置く場所がほぼないように思え、後ろ向きに降りる必要があります。ロープに頼ってしまいました。経年劣化でロープが切れたらおしまいです。

ミヤマシオガマ

イワウメ

北八ヶ岳の双耳峰、天狗岳が見えました。登山道は、基本的に傾斜があり、ザレているため、落石を発生させやすいです。かなり滑りました。山頂まで登って疲労がたまった足だと、転倒して滑落するかもしれない場所です。

ロープが再登場です。美濃戸口バス停がある八ヶ岳山荘がかなり遠くに見えます。最終バスにさえ間に合わないのかもと思ってしまう位に、程遠く感じました。

阿弥陀岳を振り替えったら別れを告げて、森林限界とおさらばします。

木々の中に入ると、難易度が下がり、歩きやすくなります。

ハクサンシャクナゲ

不動清水の分岐まで到着しました。足場が安定した道なので、携帯食の昼飯を食べながら進みます。

標識2,136mある御小屋山に到着しました。

舟山十字路と美濃戸口への分岐点です。美濃戸口へ向かいます。

ここら辺からは、ハイキングコースかと思うくらい、歩きやすいです。時間的に余裕が生まれましたが、久しぶりの本格的な登山で、足の疲労が最大です。そのまま寄り道せずに、直帰は確実です。

無事に下山できました。ここからは、舗装された別荘地です。もう走れない、歩けないですが、バスの座席を確保するために僅かでも走ります。

無事に八ヶ岳山荘に到着し、バス待ちの列にザックを置くことが出来ました。バスは増便もありましたが、1台目のバスに座ることが出来ました。バスの中で特急あずさをなんとか予約出来、特急電車で帰宅しました。

ここからは、今回出会った山野草や高山植物をまとめて紹介します。

まずはサワギクです。

クリンソウ

トチバニンジン

クルマバツクバネソウ

ジンヨウイチヤクソウ

ムヨウイチヤクソウ

ツバメオモト

フデリンドウです。見つけた瞬間はヒナリンドウかもと思いましたが、自生している環境も開花時期も違います。

リンネソウ

ササバギンラン

アスヒカズラ

キイロスッポンタケ

イワハタザオ

ツガザクラ

イワベンケイ

粗い鋸歯があるユモトマムシグサ

粗い鋸歯がないユモトマムシグサ

あまり自信はありませんが、仏炎苞舷部はヘルメット状に膨らみ、白条が半透明のような美しさなのでキタマムシグサだと思います。

花と葉がアンバランスですが、これもキタマムシグサだと思います。

最初は何の植物か不明でしたが、イブキジャコウソウです。高山の岩場等で見るのとは異なっていました。

日程表