シイノミカンアオイとは、静岡県東部に自生するオトメアオイの変種です。花がシイの実に似ていることが名前の由来になっている多年草です。花の色は個体によって異なりますが、萼筒は黒い赤紫色をしており、3つある萼裂片は淡い緑色であることが多いです。鐘形をした萼筒は円形で、萼筒の上部は強く括れ、口環が僅かに狭まっていることがあります。萼裂片は短いです。
萼筒内壁には縦横に走る隆起線があり、縦脈は12~18本です。葉柄は緑色であることが多いですが、紫色の個体も存在します。葉は葉脈の窪みがなく、強い光沢もありません。
萼筒の長さは1cm、幅は8mmです。萼裂片の長さは5mmあり、葉身の長さは4~9cm程です。
花に花弁は存在せず。花弁に見えるのは萼裂片です。オトメアオイやその亜種であるズソウカンアオイと比べて、花が一回り小さいサイズでした。
開花時期は個体によって異なっているようで、夏に開花するものや秋に開花するもの等があります。多いのは6月開花と10月開花です。
内側の中央部には雄しべが12個、花柱は6個あります。苞葉が萼筒の基部を包んでいます。
同じ静岡県にはスントウカンアオイと呼ばれる個体群が存在しており、正式に種として認められていないため正式な学名は存在しません。シイノミカンアオイはスントウカンアオイに酷似していますが、萼筒と萼裂片の長さがより短いのがシイノミカンアオイで、萼筒が真ん丸に近い傾向があるシイノミカンアオイに比べて、スントウカンアオイは長いのが特徴です。
シイノミカンアオイかどうかの簡単な識別方法として、色があります。葉柄は緑色で、萼筒は黒っぽく、萼裂片が緑色ならシイノミカンアオイの可能性が高いです。他に、咲き始めの秋に訪れ、萼筒内壁を調べる方法があります。シイノミカンアオイは、開花時期がズソウカンアオイと同じですが、萼筒内壁はオトメアオイと似て複雑だからです。言い換えるとオトメアオイは秋に咲かず、ズソウカンアオイの萼筒内壁は簡易的です。ただしオトメアオイと同じ時期に咲くシイノミカンアオイもあります。